さて、町の学校の三学期ももう終わり。ということは、ここで教えるのももう終わり、ということでもある。 最後はやっぱり映画ということで、二つのクラスのために三本の映画をチョイスしてきた。教育にかこつけて好きな映画を見る、もとい、 中国文化を知る教育の一環ということで、まあ、いつものことだったが、これももう終わりになると思うと寂しくはある。
まず、3限の入門のクラスには、「きれいなおかあさん」 を見せた。個人的にはさほど好きな映画ではない。特に、冒頭に「障害者を育てるのは大変」云々と言ってしまうような演出?は、 どうにも情感をそぐし、あまりにストレートで、以後の小さなエピソードも心に沈んでこない気がする。ただまあ、 わかりやすいと言えばわかりやすいし、感動する部分もあるといえばあるし、よかれ悪しかれ平均点くらいの映画だったような気がする。 中国社会の身障者に対する露骨過ぎる目線(確かに、 何かちょっと人とは違うようなことがあると中国では異様に視線が注がれるような気がするなあ)、行政や社会制度の不備、それによくいがちな 「おせっかいな隣人」(しかも本人のことをホンマに考えてるんかいな、という感じもまたありがち)。このあたりの描写は、 中国の一側面を描いているように感じた。まあ、やっぱ少々「教育テレビ」的ではあるけどなあ。
次に4限の中級文法(中国語専攻)の連中には「戦場に咲く花」。一回は日本の、 とりわけ戦争の絡んだ映画を見せた方がいいかなあと思って選んでみた。いろんな意味であんまり「エゲツなく」ないし。 今の学生はわかりやすい方が喜ぶ(というよりも、ストーリーがちょっと複雑になったりすると自分で物語を追えないのかも)ので、 そこそこの反応。映画自体はやっぱり決して明るいものではない。乱暴に短くしてしまえば、日本人と中国人の両方が自分の中にある「何か」 を守るために死んでゆく、というだけのもの。こりゃまあ「好評」とはいくまい。でもまあ、日本と中国の関係が「カンタン」にはいかぬ 「タダナラヌ」ものであること ―特に後に漢奸とされる中国人通訳の立場から両国関係の複雑さを解説すると、 何だか判ったような顔をしていたが― は、体感的にわかってもらえたかもしれない…というのは希望的観測ですが(笑)。
今回は(今回も?!)映画は平板な感想で申し訳ない。もう少し頭を使えばちょっとはマシな「映画論」 でも書くことができたのだろうが…。
授業終了後、学生たちと記念撮影…というよりも、学生たちのカメラに私がひっきりなしに写しこまれた。あと、 いろんなフレーズ録音されたし(笑)。まあ、こんなもんか。この学年は卒業まで見届けることはできなかったのですまないと思う。でもまあ、 仕方がないのだ。
これでまあ、山の学校の授業はすべて終了。丸4年だったと思うが、あっという間に過ぎたような気がする。私が 「中国に関することを教えてカネをもらう」最初だったので、やはり感慨深いものがある。まあ、 こんなのに付き合わされた学生はたまったもんではないだろうが、彼らと付き合うことで私もいろいろ教わったのは事実。やはり一番感謝したい。 あとは私にこの職を譲っていただいた方、そして私の後を引き継いでくださる方にも感謝。この職業、いろいろあるけれども、 結局はこういった人たちの善意によって成り立っているんだなあ、と痛感。まあ、退職手続きは(この時点では)まだなので、 感想はあとで書くかもしれませぬ。
<追伸、というよりオマケ>ボツ?になったもう一本の映画は、「中国、わがいたみ」でした。 私は見たことがなかったので後日見たのだが、正直申して学生たちには見せなくてよかったかも。いろいろツッコミどころもあるし、 まずもって芸術性が高すぎて今の学生ではガマンして見ていられないだろう。私も少々辛かったし(笑)。

